提言レポート「気候変動に起因する被害を最大限防ぐための「日本の施策と国際発信」に関する提案~G7広島サミット(主要国首脳会議)を機に~【資料付き】」を発行
投稿日:2023年03月30日
2021年から2022年にかけて、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第1・2・3作業部会報告書が公表されました。
それらを受けて開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)では、適応やロス&ダメージ(損失と損害)に注目が集まり、早期警戒システムを2027年までに万人に届けるための国連の計画や、2030年までに脆弱な立場にある人々の気候レジリエンス構築を目指す「シャルム・エル・シェイク適応アジェンダ」など、具体的な取組も数多く発表されました。また、ロス&ダメージのための基金設立も決定し、この基金の本格稼働や具体策に関する議論が進むことが期待されます。
もちろん適応策やロス&ダメージ対策だけでは、根本的な解決にはなりませんので、温室効果ガス削減策(緩和策)のさらなる加速が必須です。ウクライナ危機に端を発するエネルギー危機もあり、最も排出量の多いエネルギー起源CO2削減とエネルギー安定供給の両立は私たち皆が向き合うべき喫緊の課題です。そして、エネルギー転換にあたっては、公正な移行の観点が不可欠です。なお、地球の平均気温を1.5℃に抑えるためには、メタンやフロンなど他の温室効果ガスの大幅削減も必要です。
本提言レポートは、国際交渉などにおいて焦点が当たってこなかった点も含め、日本が議長国を務めるG7広島サミットに向け、日本を含むG7各国の気候変動対策や国際社会への貢献という観点から発表するものです。
G7や続くCOP28を機に、今後の日本・世界における気候変動対策に関する議論・取組・様々なステークホルダーの協力を更に推進していただくための一助となれば幸いです。
提言執筆者:遠藤理紗、足立治郎