『気候変動に起因する被害を最大限防ぐための「日本の施策と国際発信」に関する提案~国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)を機に~』を発表
JACSESは、アラブ首長国連邦・ドバイでのCOP28(11/30~12/12)開催に合わせ、気候変動に起因する被害を最大限防ぐための日本の施策と世界の取組促進のための発信に関する提言を作成しました。以下よりご参照いただけますと幸いです。
気候変動に起因する被害を最大限防ぐための「日本の施策と国際発信」に関する提案~国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)を機に~(PDF)
【提案要旨】
提案1:適応策を推進する政策・野心・行動の強化とSDGs「誰一人取り残さない」観点からの適応・ロス&ダメージ対策推進
気候変動の悪影響を受けやすく、対処するリソースに乏しい「国内外の脆弱な人々/コミュニティ(女性・子ども・障がい者・生活困窮者・立場の弱い労働者・経営体力が脆弱な事業者・移民・先住民等)」に対する適応・ロス&ダメージ対策支援の実践、及び、COP28で合意が目指されるGST成果・GlaSS成果・ロス&ダメージ基金等も活用した他国への連携の呼びかけ。他国・関係機関・自治体・企業・NGO等と連携し、早期警戒システム・災害に強い居住環境・水/食料等の資源アクセス・Coolingへのアクセス・雇用環境改善・途上国適応計画策定/適応報告等への支援、適応ファイナンスを強化。
提案2:世界のあらゆる温室効果ガス削減・ネットゼロの実現
GST成果やCOP27で策定された「緩和作業計画」も活用し、CO2に加えその他の温室効果ガスを含む削減目標設定・野心向上に、各国が取り組むよう働きかける。日本が主導するJCM・6条実施パートナーシップ等を全温室効果ガス削減に活用。途上国の温室効果ガス排出量把握等の透明性向上・行動計画策定支援を強化。各国を巻き込み、世界のフロン回収率向上を促す。途上国の廃棄物・農業関連メタン排出の削減支援も推進。緩和策推進に際し影響を受ける人々に焦点を当て、失われる雇用の吸収等を含め、公正な移行を実践・支援。
提案3:パリ協定・UNFCCC合意及びSDGs達成に向けた「気候変動」×「ジェンダー平等」に関する施策・発信
気候変動関連施策・予算へのジェンダー主流化・具体化を進める。施策立案/実施過程への女性を含む多様なステークホルダー参画と緩和/適応両面での活躍を後押し。気候変動の被害を受けやすい途上国の脆弱な女性・少女の適応・ロス&ダメージ対策や緩和策への参加を支援。既存のジェンダー不平等を克服する取組(女性/少女の教育機会・情報アクセス・安定的収入手段/金融サービスへの平等なアクセス等の確保)を推進。