気候変動

『国際社会の気候変動緩和野心向上とレジリエンス強化のための「日本の施策と国際発信」に関する提案 ~国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)を機に~』を発表

投稿日:2024年11月08日

JACSESは、アゼルバイジャン共和国・バクーでのCOP29(11/11~11/22)開催に合わせ、国際社会の気候変動緩和野心向上とレジリエンス強化のための「日本の施策と国際発信」に関する提言を作成しました。以下よりご参照いただけますと幸いです。

国際社会の気候変動緩和野心向上とレジリエンス強化のための「日本の施策と国際発信」に関する提案 ~国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)を機に~(PDF)

【提案要旨】

提案1:「誰一人取り残さない」観点からの適応・ロス&ダメージ対策推進
COP29にて、ハイレベルセグメントスピーチ・「気候資金に関する新規合同数値目標」や「適応指標」に関する議論・日本が主導するイニシアティブ等を活用し、適応政策・野心・行動の強化と気候変動の悪影響を受けやすい「国内外の脆弱な人々/グループ」に対する適応・ロス&ダメージ対策を推進。他国・援助/国際機関・企業・金融機関・自治体・NGO等と連携し、食料/水/エネルギーアクセス・Coolingアクセス・早期警戒システム・災害に強い居住環境等の実装が進むよう、国内外の取組支援を強化。途上国の適応計画策定/適応報告・雇用環境改善等を支援。多様なステークホルダーの対策/計画/政策構築への参画、適応ファイナンス・ブレンディッドファイナンスを推進。民間セクターの二国間/多国間協力プロジェクトへの参画・適応ビジネス促進。「サンティアゴ・ネットワーク」による技術支援。適応・ロス&ダメージ対策に関する啓発/教育の推進。

提案2:日本・世界の全温室効果ガス削減・ネットゼロの実現
COP29の議題「緩和作業計画」「NDC」「透明性」やCOP28のGST成果を活用し、2025年2月までに締約国が提出を求められる2035年を目標年次とする次期NDCで、CO2以外の温室効果ガスを含む削減目標設定・野心向上に各国が取り組むよう働きかける。日本が主導するJCM・6条実施パートナーシップ等を全温室効果ガス削減に活用。パリ協定対象7ガスについて途上国の温室効果ガス排出量把握等の透明性向上・行動計画策定支援を強化。日本が設立したフルオロカーボン・イニシアティブ等を通じ、世界のフロン回収率向上を促す。途上国の廃棄物・農業関連メタン排出削減支援も推進。緩和策推進に際し影響を受ける人々に焦点を当て、失われる雇用の吸収等を含め公正な移行を実践・支援。エネルギー起源CO2削減に加えメタン・フロン等その他温室効果ガス削減のためのESG金融を後押し。

提案3:「気候変動」×「ジェンダー平等」に関する合意への貢献と発信・施策強化
気候変動関連施策・予算へのジェンダー主流化・具体化を進める。施策立案・実施・モニタリング/評価過程への女性を含む多様なステークホルダー参画と緩和/適応両面での活躍を後押しし、気候変動の被害を受けやすい途上国の脆弱な女性・少女の適応・ロス&ダメージ対策や緩和策への参加を支援。既存のジェンダー不平等を克服する取組(女性/少女の教育機会・情報アクセス等の確保)を推進。日本が「気候変動」×「ジェンダー平等」に積極的に取り組んでいくことを世界に発信。また、COP29で完了予定の「強化されたジェンダーに関するリマ作業計画及びそのジェンダー行動計画の実践のレビュー」が今後のジェンダーに対応した気候変動対策の実践に貢献するよう後押し。

提案4:気候変動/環境関連施策・中長期戦略/地域戦略等の政策・予算への組み込み
本提案を日本政府の政策・戦略・予算に組み込み、世界全体の気候変動対策に貢献。また、各省庁の施策立案・評価における気候変動リスク・貢献の視点をさらに組み込むとともに、気候変動関連施策の立案・評価におけるSDGsの他ゴールの視点を組み込む。

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