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カーボン・レジーム―地球温暖化と国際攻防

 京都(COP3)、 コペンハーゲン(COP15)、カンクン (COP16)―そして未来

2010年11月16日出版
「環境・持続社会」研究センター編・株式会社オルタナ発行

目次

  • 「転機に立つ世界と地球環境政策 「カーボン・レジーム」形成の今後」
    古沢広祐(國學院大學)
  • 「国際社会は気候変動に対処できるのか」
    亀山康子(国立環境研究所)
  • 「日本に問われる国際枠組み構想力 ポスト京都議定書の枠組みに向けての一提案」
    澤昭裕(21世紀政策研究所)
  • 「気候変動対処のための国際制度と日本の役割」
    足立治郎(JACSES)

~本書「はじめに」より~

京都議定書第一約束期間(2008―2012年)以降の国際枠組み構築を目指したCOP15(第15回気候変動枠組み条約締結国会議、2009年12月にコペンハーゲンで開催)は、全会一致の採択に至らず、コペンハーゲン合意に留意する、という形になった。2013年以降、京都議定書はどうなるのか。コペンハーゲン合意でよいのか。今後の国際枠組みはどうなっていくのか。そして、日本、我々はどうすればよいのか。国際交渉を読み解くために、多角的視点を提供すべく、多様な執筆陣とした。

古沢論考は、現在を歴史的転換期と位置づけ、気候変動政策の流れを文明史的視点から位置づけていく試みを行っている。亀山論考は、気候変動枠組み条約や京都議定書採択も含む、これまでの国際交渉の歴史・国際社会の対応を振り返り、京都議定書とコペンハーゲン合意の見方を整理し、今後を展望している。澤論考は、COP15後の国際交渉の動きも踏まえ、各国が参加しやすく、多様な主体(NGO/NPO、国際・国内業界団体、国内・多国籍企業などの民間も含む)を巻き込む、次期国際枠組みの具体性をもった提案を行っている。足立論考は、世界が気候変動に対処するための国際制度と日本の果たすべき役割について、提案を試みている。

世界は、気候変動を重要課題としながらも、現実は、利害がぶつかり、国際攻防が続いている。本書が、こうした状況を乗り越え、効果的な国際制度、日本の国際交渉戦略・国際協力・国内政策の構築を促すために、多少なりとも貢献できれば幸いである。なお、各論考は、執筆者それぞれの立場や視点から独自の見解が提起されており、必ずしも統一した見解に基づいて展開されているものではない点をご理解いただきたい。

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