SDGs(持続可能な開発目標)・SCP(持続可能な消費と生産)プログラム
目標・活動概要
公正で持続可能な社会を構築するには、持続可能な開発に資する国際的取り決めの形成と各国の遵守を促進することも重要です。当センターは、1993年の設立以来、1992年にブラジルで開催された国連環境開発会議(地球サミット)や、2002年のヨハネスブルクサミット(WSSD)、2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)など、持続可能な開発に関する国際会議に参画し、提言・啓発活動を行ってきました。
2012年に開催されたリオ+20で、SDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)の策定が決まりました。その後の国際交渉を経て、2015年に、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として、17のゴール・169のターゲットから構成されるSDGsを中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
その後、当センターは、国内外の多様なステークホルダーとのネットワークを強化しつつ、政策提言・啓発活動等を進め、政府・企業・協同組合・NGO等によるSDGs取組進展に貢献してきました。しかし、SDGs達成のためには、さらに取組を促進していくことが必要です。あるゴール・ターゲット達成のための取組が他のゴール・ターゲット達成の障害となるトレードオフを防ぐことや、ポストSDGsも視野に入れたSDGs取組を補完する取組の促進も課題となっています。
また、公正で持続可能な社会の構築には、資源採取・生産・流通・消費・廃棄に至る生産・消費システムを公正で持続可能なものとしていくことも必要であるため、当センターは、設立以来、環境容量やSCP(持続可能な消費と生産、Sustainable Consumption & Production)に関する調査研究・提言・啓発活動を進めてきました。
SDGsは、その12番目のゴールにSCPの目標を定めた他、ゴール2(食料・農業)、ゴール6(水)、ゴール7(エネルギー)、ゴール9(産業)、ゴール13(気候変動)、ゴール14(海洋資源)、ゴール15(陸域生態系・森林)等、SCP達成のためにカギとなる多様なゴール・ターゲットを定めています。
そこで、当センターは、持続可能な開発に資する国際的取り決めの形成と各国の遵守を促進する活動と持続可能な消費生産に関する活動を一体的に進めるSDGs・SCPプログラムを立ち上げ、取組を進めてきています。
近年の具体的な成果についてはJACSESの年次報告書をご参照下さい。また、SDGs・SCPプログラムではインターンを募集しています。詳細はこちらを参照ください。
NGO(非政府組織)・NPO(非営利組織)・CSO(市民社会組織)による政策提言活動については、日本の助成財団や市民からの寄付金は集まりにくく、日本における安定した資金基盤の確立が求められています。ぜひ本プログラムへのご支援をよろしくお願い致します。
SDGs(持続可能な開発目標)・SCP(持続可能な消費と生産)プログラム
プログラム・ディレクター
足立治郎
活動内容
1.SDGsに関する政策提言・啓発
政策提言書の作成・発行、政策担当者との会合、SDGsに関連する国際会議(HLPF、ハイレベル政治フォーラム等)への参加、寄稿・講演等を通じ、SDGs達成に向けた政策と取組を促進しています。
2.SDGs・SCPに関する取組支援
多様なニーズ・依頼に応え、政府機関・協同組合・企業等のSDGs取組(会合/研修会開催・レポート作成等)を支援しています。
- 協同組合の取組支援
- 省庁の取組支援
3.ライフスタイル転換に向けた取組の選択肢や製品情報・支援制度に関する情報提供
地球環境問題や国際的な社会問題に対処するための手段の一つは、その原因となっている人々のライフスタイル及びそれを支える行政・民間団体の活動を環境・社会・経済の3つの観点においてより持続可能なものへと転換することです。温室効果ガス削減等の持続可能な社会構築に向けたライフスタイルの変革に対して、努力したい生活者に、実施可能な取組の選択肢や製品情報・支援制度に関する最新情報をまとめました。
4.環境容量に関する調査研究
永続性、持続可能性指標、環境スペースや地球的公正の概念をふまえて、環境容量(エコスペース)の指標化と算定について検討を加えつつ一応の指標化と数量的な把握(算定)を試み、持続可能な生産・消費と環境容量に関するレポートをまとめました。
過去の活動
担当: 足立治郎・遠藤理紗