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「日本発の国際社会のサステナビリティに向けた提言~気候危機への対処とSDGsの達成を目指して~」【用語説明・資料付き】

投稿日:2021年04月28日

2020年は世界が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応に追われた1年であった。COVID-19蔓延下においても、気候変動が要因の1つと疑われる台風や洪水による被害が発生しており、国会で気候非常事態宣言が決議され、気候変動への危機感が共有された。経済停滞によって一時的に温室効果ガス排出量は減少傾向となったが、感染者の増加による医療体制の逼迫や、失業者・貧困に陥る人々の増加といった様々な問題も噴出した。このような状況下で、日本は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを宣言したが、今後我々はどのような行動を求められているのか。

これまで以上に脱炭素社会構築に向けた機運は高まっているが、他にも国際交渉や気候変動対策において焦点が当たってこなかった点があり、今後とれる対策は多いのではないだろうか。そのような背景を踏まえ、弊センターは「日本発の国際社会のサステナビリティに向けた提言~気候危機への対処とSDGsの達成を目指して~<地球規模での気候変動対応と日本の貢献のための提案 Ver.6>」を発表した。

まず、気候変動対策のゴール・究極目標は、「気候変動に起因する被害を極力防ぐ」ことではないか。気候変動対策のゴールというと、1.5℃・2℃目標、2050年カーボンニュートラルに注目が集まるが、中長期的にそうした目標が達成できたとしても、それまでに気候変動による被害が頻発することは極力防がなければならない。そうした観点から、緩和策とともに、適応策も推進することが極めて重要である。その際に、余裕がなく、比較的被害を受けやすいと想定される貧困層・脆弱層を取り残してはならない。

また、原因となる温室効果ガスについても、エネルギー起源CO2に焦点が当てられるが、それ以外にも様々な温室効果ガスや排出要因がある。気候変動による被害を防ぐには、世界全体で他の温室効果ガスや排出要因にも目を向けることが要請される。

しかしながら、温室効果ガス排出/吸収量等の状況については、きちんと把握しきれていない国も多く、より効果的な対策を選択するために、気候変動に関する現状把握を進めることも必要である。
なお、対策推進のためには資金が不可欠である。公的資金をいかに有効活用するかとともに、民間資金の導入を促進し、いかに企業等による取組のインセンティブとできるかも問われるだろう。

本提言は、すでに様々な関係者の方々に目を通していただいているが、これまで気候変動問題に馴染みのなかった方々や気候変動以外の経済・社会課題に取り組まれている方々にもご覧いただき、具体的取組に関する多様な議論が促進されることを期待し、用語説明・資料を付けた本提言レポートを発行する。

本書が、今後の日本・世界における気候変動対策に関する議論・取組・様々なステークホルダーの協力を更に推進していただくための一助となれば幸いである。

レポートダウンロード(P.1~42、PDF)
レポートダウンロード(P.43~58、PDF)

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