気候変動

「気候変動対策・施策におけるジェンダー平等の推進を求める声明」を発表

投稿日:2022年03月08日

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)は、3月8日の国際女性デーに合わせ、他の団体と共同で、日本政府および多様なステークホルダー(自治体・ビジネス界・市民社会等)が、気候変動とジェンダー平等の推進に関する取組を加速し、世界に対しリーダーシップを発揮するよう提言する「気候変動対策・施策におけるジェンダー平等の推進を求める声明」を発表しました。本声明は、3月28日時点で、27団体・52名の賛同をいただいています。

<以下、声明文>※ページの一番下にPDFファイルへのリンクも掲載しております。

気候変動とジェンダーは、3月8日の「国際女性デー(IWD)」及び3月14~25日開催「第66回国連女性の地位委員会(CSW66)」の主たるテーマです(※1)。昨年の「第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)」で採択された「グラスゴー気候合意」にもジェンダーに関する項目が含まれています(※2)。

この背景には、女性や少女が気候変動の悪影響・被害を受けやすい等の状況(※3)や気候変動対策への女性と少女の貢献に対する認識・評価が高まってきていることがあります。社会における既存のジェンダー不平等や複合的な理由により脆弱な立場に置かれがちな女性や少女が、気候変動の悪影響を不均衡に受けることがないように、気候変動対策におけるジェンダー平等と女性・少女のエンパワーメントを促進するためには、気候変動とジェンダーの関連性・重要性に対する認識を高め、実践する必要があります。

本声明は、IWD及びCSW66を機に、日本政府および多様なステークホルダー(自治体・ビジネス界・市民社会等)が、気候変動とジェンダー平等の推進に関する取組を加速し、世界に対しリーダーシップを発揮するよう提言するものです。

  1. 「気候変動とジェンダー平等」に積極的に取り組んでいくことを世界に発表する。(例えば、COP26で発表された「ジェンダー平等と気候変動に関するグラスゴー女性リーダーシップ宣言」(※4)への賛同や、COP等の国際的な場を活用し、途上国に対する適応策支援に当たり(※5)、気候変動の被害を受けやすい、脆弱な立場に置かれている女性・少女に対する支援を強化することを世界に表明する等)
  2. パリ協定をはじめとする気候変動に関する国際合意及び持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、日本政府による気候変動・エネルギー関連(※6)施策および予算において、ジェンダー主流化が実現されるよう具体的な取組を進める。
  3. 気候変動・エネルギー関連施策の立案や実施過程への女性を含む多様なステークホルダーの公平で意味のある参加を推進し、気候変動による悪影響を防ぎ、気候危機を克服するために必要な緩和策(温室効果ガス削減策)・適応策両面での様々な取組が、多様なステークホルダーの理解と十分な参加のもとで進むよう努める。

(※1)本年IWDのテーマは「持続可能な明日に向けて、ジェンダー平等をいま」であり、CSW66の優先テーマは「気候変動および環境・災害リスク削減に関する政策・プログラムにおけるジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成」である。

(※2)COP25(2019)で合意した「強化されたジェンダーに関するリマ作業計画とジェンダー行動計画」では、「全てのステークホルダーの活動におけるジェンダー主流化」「気候変動枠組条約プロセスへの女性の完全・平等で有意義な参加の実現」等に関する実施項目とそのプロセスが定められている。2021年のCOP26では、「グラスゴー気候合意」におけるジェンダーに関する項目が含まれるとともに、「2022年6月に実施予定のジェンダー行動計画の中間レビューに向けて、各国やステークホルダーに、ジェンダー行動計画実施における進捗・改善点、実施すべき追加作業等に関する情報を2022年3月31日までに提供するよう招請する」等を含む「ジェンダーと気候変動」に関する文書が採択された。

(※3)気候変動は、世界中で健康・食料・安全な飲料水と衛生設備・人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)等に深刻な影響を与え、ジェンダーを含む既存の不平等を悪化させる。一般的に、女性と少女は、性別役割分業や文化的・社会的規範等により、気候変動の影響を不均衡に受ける場合が多く、特に災害・貧困や戦争・紛争・政情不安などの非常時において、気候変動の影響による大きなリスクに直面する恐れがある。

(※4)年齢・性別・障害・居住地等の要因によって気候変動の影響が異なることを認識し、地域・国・国際レベルの政策や意思決定において、女性と少女の主体性・参加・リーダーシップの確保を目指すというもの。

(※5)日本政府は、COP26で途上国への適応支援の倍増を表明した。

(※6)例えば、国際的には、国連機関(気候技術センター・ネットワーク(CTCN)等)による自然エネルギー導入における女性の雇用促進の取組や、The Clean Energy Education and

Empowerment International Initiative(C3E International)によるクリーンエネルギー分野への女性の参加促進とジェンダーギャップの解消を目指す取組等が進められている。

<参考資料>

賛同団体および賛同人:2022年3月28日時点、順不同

●賛同団体(27団体)

特非)「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
公益財団法人ジョイセフ
JAWW(日本女性監視機構)
一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
特定非営利活動法人A SEED JAPAN
特定非営利活動法人気候ネットワーク
特定非営利活動法人Gender Action Platform
ワーキング・ウィメンズ・ヴォイス
(一社)環境パートナーシップ会議
男女共同参画と災害・復興ネットワーク
国際女性の地位協会
世界女性会議岡山連絡会
創価学会平和委員会
Office SAKURAI
i 知 安心生活
男女共同参画みえネット
特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会
クオータ制の実現をめざす会
NPO)女性医療ネットワーク
国際環境NGO 350.org Japan
埼玉NGOネットワーク
特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
生物多様性NGO虔十の会
特定非営利活動法人関西NGO協議会
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)

●賛同人(52名)※以下は、お名前の公表に同意をされている方

遠藤理紗(「環境・持続社会」研究センター気候変動プログラムリーダー・事務局次長)
斎藤文栄(公益財団法人ジョイセフアドボカシー・ディレクター)
織田由紀子(JAWW副代表)
三輪敦子(一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク共同代表理事)
稲場雅紀
時實達枝(世界女性会議岡山連絡会)
橋本ヒロ子(JAWW)
下村委津子
亀永能布子
設樂恵美
桜井純子(世田谷区議会議員)
鹿住貴之(認定NPO法人JUON NETWORK)
山下梓
細谷実
尾形慶子(緑の党グリーンズジャパン)
神永れい子
森田系太郎(立教大学)
田村慶子(北九州市立大学)
山下泰子(国際女性の地位協会)
井谷惠子(京都教育大学名誉教授)
矢澤澄子
富澤由子(女性参政権を活かす会・共同代表)
池田裕美枝
木村麻紀(ジャーナリスト)
伊与田昌慶(気候変動NGOスタッフ・大学非常勤講師)
永戸孝之(鈴鹿市議会議員)
Keiko Sakurai
小林三津子
阿部貴美子(JAWW)
中嶋秀昭
谷岡理香
田中雅子(上智大学)
時永裕子
田中優希
石川美幸
高橋美和子(関西NGO協議会事務局長)
森山拓也
山口慧子
藤本伸樹(ヒューライツ大阪)
稲塚由美子
柏原恭子
仲井友佳子

<本声明に関するお問い合わせ先>
遠藤理紗(特定非営利活動法人「環境・持続社会」研究センター (JACSES) )
E-mail: endo@jacses.org
TEL: 03-3505-5552,FAX: 03-3505-5554
〒107-0052 東京都港区赤坂1-4-10赤坂三鈴ビル2F
http://jacses.org/

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