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プレスリリース「豪バロッサ浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO) に融資した民間銀行が判明~邦銀では三菱UFJと三井住友が関与~」を発表

投稿日:2023年04月18日

2023年4月18日

プレスリリース:
豪バロッサ浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)
に融資した民間銀行が判明
~邦銀では三菱UFJと三井住友が関与~

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

オーストラリア沖で建設中のバロッサガス田に付随する浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)に対して、三菱UFJ銀行、三井住友銀行を含む民間銀行9行が融資していることが新たに明らかとなった。韓国のカン・ビョンウォン国会議員の調査によって融資銀行が判明し、本日、当センターを含む国内外のNGO6団体(※1)が報告書「沈む船への投機~バロッサガス田FPSO事業の裏に隠された金融機関~」(※2)を共同発表した。

FPSOは海洋ガス田のある洋上でガスを生産するための浮体式設備であり、生産されたガスは船体内のタンクに貯蔵された後、パイプラインを通して陸上の施設に輸送される。バロッサガス田のFPSOには伊藤忠商事と明治海運グループが出資しており、融資には上記2邦銀以外にも、韓国産業銀行、NATIXIS(仏)、ABNアムロ(蘭)、ラボバンク(蘭)、クリフォード・キャピタル(シンガポール)、OCBC Bank(シンガポール)、UOB(シンガポール)が参加し、2021年8月に計9銀行により総額11億5千万米ドル(約1263億円)の融資契約が結ばれている。

また、日本の電力大手JERAが資本参加し、国際協力銀行(JBIC)が融資しているバロッサガス田採掘・海中パイプラインのコンポーネントでは、影響を受ける先住民族の代表者が住民協議や海洋生物への影響緩和策が不十分であるとして豪州の環境当局を提訴し、2022年12月、連邦裁判所が政府側の控訴を棄却。2023年1月に住民勝訴が確定した(※3)。これを受けて日本の環境NGO4団体は、JBICに対して貸付実行停止等を求める公開質問状を1月に送付したが、未だにJBICから回答は得られていない(※4)。

三菱UFJ銀行や三井住友銀行はネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)に加盟し2050年までの投融資ポートフォリオ排出量ネットゼロを約束しているが、新規のガス開発に融資を行うことは、この目標に反している。また、FPSOコンポーネントはガス田採掘・海中パイプラインと不可分一体の関係にあることから、民間銀行の国際的な環境社会配慮基準である赤道原則を採択している邦銀2行には、法令順守及び先住民族の権利尊重等の基準遵守が求められる。したがって、FPSOのコンポーネントに対しても貸付実行停止等の措置を講じるべきである。

注:
※1:Solutions for Our Climate(韓国)、Jubilee Australia(豪州)、Environment Centre NT(豪州)、 Urgewald(ドイツ)、Reclaim Finance(フランス)、「環境・持続社会」研究センター(日本)の6団体
※2:日本語、英語、韓国語でレポートを公開
https://forourclimate.org/en/sub/data/barossa_fpso_financing?hs_preview=UvYSobPE-111239607168
※3:http://jacses.org/2021/
※4:http://jacses.org/2030/

本件に関するお問い合わせ先:
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、担当:田辺
メール:tanabe@jacses.org

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