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プレスリリース「東京GXウィーク開催〜バングラデシュで進む化石燃料まみれのJICA支援エネルギー計画〜」を発表

投稿日:2023年09月25日

プレスリリース:
東京GXウィーク開催〜バングラデシュで進む化石燃料まみれのJICA支援エネルギー計画〜

2023年9月25日

Fair Finance Guide Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

日本政府が水素・アンモニア混焼、CCS(炭素回収貯留)、LNG等のアジア展開を目指す「東京GXウィーク」を開催する中、Fair Finance Guide Japan※は、報告書「化石燃料まみれのJICA支援〜パリ協定に整合しないバングラデシュのエネルギー計画案〜」(PDF)を発表し、国際協力機構(JICA)の推奨シナリオが2070年にネットゼロ達成を見込んだパリ協定1.5度目標と整合しないことや、水素・アンモニア混焼による火力発電を大幅に導入しようとしている点を問題提起した。

統合エネルギー・電力マスタープラン(IEPMP)のJICA推奨シナリオ(ATS)では、2050年においても依然として約6割が化石燃料が占める電力構成になっており、パリ協定の1.5度目標との整合性が確保されていない。IEPMPではアンモニア・水素混焼を「クリーンエネルギー」として位置付けて、2030年以降、アンモニア・水素混焼の火力発電の大規模導入を想定しているが、IEPMP自身でさえアンモニア・水素混焼の生産コストは再生可能エネルギーよりも大幅に高く見積もっており、経済合理性に欠けている。再生可能エネルギーの導入量も、既存の研究や過去のJICAの報告書と比較して過小な見積りがなされている。

ATSにおける電源構成(PP2041及びIn-Betweenケース)(IEPMP資料)

出典:IEEJ (2022) “Integrated Energy and Power Master Plan Project in the People’s Republic of Bangladesh Draft Final Report (#4 Draft)”

JICAは2010年・2016年にも同様の電力マスタープランの策定支援をバングラデシュ政府に対して行ったが、両者ともに過剰な電力需要予測だったため、現在バングラデシュは大幅な設備余剰の状態にあり、バングラデシュ政府は未稼働の発電所への膨大な容量支払いを強いられている。同時に、燃料コストの高騰により、高価な輸入化石燃料の支払いができず、バングラデシュ各地で計画停電が発生している。

IEPMPが現行案で策定された場合、今後日本の官民支援による化石燃料事業がバングラデシュで推進されるリスクがある。水素・アンモニア混焼やLNG等をエネルギー移行に必要なものとして支援することは、バングラデシュの化石燃料発電への依存を助長し、バングラデシュのエネルギー安全保障上のリスクを増大させ、エネルギーアクセスを遮断させる結果になりかねない。これらは誤った対策の押し付けであり、日本政府及びJICAは直ちに止めるべきである。

※:世界15カ国以上で展開するFair Finance Internationalの日本コアリションで、日本では、アジア太平洋資料センター(PARC)、APLA、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の4団体で構成。

本件に関するお問合わせ先:
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、田辺有輝/喜多毬香
tanabe@jacses.org / kita@jacses.org

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