気候変動プログラム
目標・活動概要
1992年に開催された「地球サミット(国連環境開発会議)」を機に1993年に設立した当センターは、環境・持続可能な開発に関する国際条約についての理解・取組促進のための情報提供活動を開始し、その一つとして、地球サミットで署名が開始された「国連気候変動枠組条約」の内容・国内外の政策動向・NGOによる評価等を紹介するレポート「気候変動をめぐる国際状況」を1995年に発行しました。
その後、1997年に京都での第3回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP3)開催・京都議定書採択を機に、気候変動の誘因となる人為起源の温室効果ガスの中で大きな割合を占める二酸化炭素(CO2)の国内削減と海外削減支援のために重要なテーマとなる「環境税」および「CDM・京都メカニズム」に関する情報提供・提言活動を進めました。環境税については、2012年10月より「地球温暖化対策のための税(地球温暖化対策のための石油石炭税の税率の特例措置)」が段階的に施行され、CDM・京都メカニズムについても取組が進展し、日本の2012年までの京都議定書第一約束期間の目標達成に貢献しました。
ただし、こうした取組のみでは、気候変動による被害を防ぐには十分ではありません。被害を防ぐために重要であるにもかかわらず国際交渉や気候変動政策・対策で焦点があたっていない重要な政策・対策も含めた提言・啓発活動が急務との認識のもと、2015年に、地球規模でのあらゆる温室効果ガスの削減と脆弱層・貧困層を含む世界の人々の適応策推進のための活動を立ち上げました。
近年気候変動によることが疑われる被害が頻発する中、日本政府は、2020年から21年にかけて、2050年温室効果ガス排出量ネットゼロ目標/カーボンニュートラル、及び、2030年マイナス46%目標(2013年度比)を発表しました。しかし、2050年の目標を達成するまでの間にも、気候変動による被害は生じ続ける可能性が高い状況です。被害を防ぐには、国内の脱炭素社会構築に加え、「CO2以外の温室効果ガス削減」「今後も増え続ける途上国の温室効果ガスの削減への協力」「貧困層・脆弱層も含む適応策強化」も進めることが不可欠です。
NGOによる気候変動に関する政策提言・普及啓発の取組は、長らく欧米の助成財団からの助成金に依拠しており、日本の助成財団や市民からの寄付金は乏しい状況です。少ない支援も、国内のCO2排出削減に偏る傾向があります。ぜひ本プログラムへのご支援をよろしくお願いいたします。
近年の具体的な成果についてはJACSESの年次報告書をご参照下さい。また、気候変動プログラムではインターンを募集しています。詳細はこちらを参照ください。
気候変動プログラム
プログラムリーダー
遠藤理紗
活動内容
1. 政府・国際機関の気候変動政策の改善
台風・森林火災等、気候変動に起因する被害を最大限に防ぐために、日本政府、開発機関、民間金融機関の政策を強化することを目指し、調査・政策提言を行っています。
2. 気候変動政策・取組に関する普及啓発
気候変動による被害を最大限防ぐための調査・政策提言を効果的に実施するための基盤作りとして、定期的な情報発信や政策対話のコーディネートなどを行っています。
担当:遠藤理紗・足立治郎