※現在、当センターでは、下記要望書の賛同署名を募集しています。ご賛同頂ける方・団体は、署名フォームをご記入ください(9月12日締切)。
経済産業大臣 茂木敏充様
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構理事長 河野博文様
マレーシア・レアアース精錬事業における
適切な環境社会配慮・住民協議を求める要請書
経済産業省所管の独立行政法人である石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、マレーシアでレアアース精錬事業を行う豪州企業ライナス社に対して、双日株式会社と共同で総額2億5,000万米ドル(約200億円)の出融資を行っています(平成22年度レアアース総合対策予算を活用)。
しかし、本事業では放射性トリウムや重金属を含む廃棄物の保管方法が不適切であるとして、国際原子力機関(IAEA)が改善を勧告しています。また、ドイツの研究機関であるOeko
Institutも、本事業の廃棄物保管施設について、ドイツでは一般廃棄物でも認められないレベルであると評価し、「通常の運転でも周辺の地下水に放射性物質や有毒物質が漏えいする」と問題を指摘しています。実際、研究者の独自調査によると、工場の排水口周辺で稼働後に採取された土壌等からは、稼働前の7倍の放射能が検出(暫定値)されており、放射性物質漏えいの可能性も懸念されています。他方、マレーシアでは事業に反対する署名が100万筆に達し、数千人がデモに参加するなど、地元住民による反対運動が続いています。
JOGMECは衛生・労働安全・環境に関するHSE方針及びHSE審査基準を定めていますが、同様の海外金融支援を行う公的機関である国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)、国際協力機構(JICA)と比較すると極めて不十分な基準です。本事業に関しても説明責任を適切に果たしていません。
そこで、私たちは、経済産業省及びJOGMECに対して、以下の点を要請します。
- 本事業の環境アセスメント報告書・モニタリング報告書及びJOGMECによるHSE審査結果等の環境社会配慮関連文書を公開すること(特に放射性物質漏えいの可能性があるため、放射性物質のモニタリング結果を含めること)。
- 適切な環境社会配慮(放射性廃棄物の管理を含む)の体制が構築され、影響を受ける住民に対して情報が公開され、住民との社会的合意がなされるまで、ライナス社への支援を一時停止すること。
- 少なくともJBIC、NEXI、JICAと同水準、又はより強化した環境社会配慮ガイドラインを策定すること。
呼びかけ団体:アジア太平洋資料センター(PARC)、エシカルケータイキャンペーン、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、国際青年環境NGO
A SEED JAPAN
本件の連絡先: JACSES(担当:田辺) 電話:03-3556-7325 E-mail: jacses@jacses.org
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