近年、海外の保険会社が化石燃料事業から次々と撤退する中、日本の3大損害保険会社である東京海上・SOMPO・MS&ADは、気候変動を悪化させる化石燃料事業に巨額の保険引受を行っており、3社の方針はパリ協定の長期目標と整合していない状況です。化石燃料の採掘や発電所を建設・稼働させるためには、保険会社による保険引受が不可欠であるため、保険会社が化石燃料事業に保険引受を行わない方針を策定することが必要です。JACSESでは、国際的なNGOネットワークであるInsure Our Futureキャンペーンのメンバーと協力し、日本の損害保険会社に対して化石燃料事業への保険引き受けを停止するよう提言活動を行っています。
これまでの活動:
- 2024年8月28日:要請書「SOMPOに対して新規化石燃料事業の保険引受等を停⽌するようエンゲージメントを行ってください」をSOMPO大株主50機関へ送付
- 2024年6月24日:プレスリリース「SOMPO・株主総会で米国リオ・グランデLNG事業の保険引受停止要請に回答せず」を発表
- 2024年6月18日:SOMPOホールディングスに対して米国リオグランデLNG事業への保険引受停止等を求める共同要請書(PDF・国内外NGO28団体が署名)を提出
- 2024年4月17日:SOMPOホールディングスが保険引受を行っている米国リオグランデLNG事業のファクトシート(PDF)を公開
- 2024年3月15日:共同声明「東京海上がGHG高排出企業からの保険引受撤退条件を表明するも、パリ協定1.5度に整合的な移行かどうかは不明確」を発表
- 2024年3月4日:プレスリリース「世界27地域で東京海上を含む世界の大手保険会社に対して化石燃料への保険引受停止を求めるアクション実施」を発表
- 2024年2月22日:プレスリリース「東京海上・MS&AD・SOMPOを含む世界の保険会社による米国湾岸LNG事業への保険引受が判明」を発表
- 2023年11月22日:共同声明「MS&ADが日本の損保で初めて保険ポートフォリオ排出量の中期目標を設定~東京海上・SOMPOも早急にGHG削減目標設定を!~」を発表
- 2023年11月10日:プレスリリース「東京・お台場で開催された保険監督者国際機構(IAIS)の年次総会にて環境NGOが共同署名提出・アクション実施」
- 2023年11月9日:プレスリリース「化石燃料への保険引受方針等に関する世界の保険会社ランキング2023と Insure Our Futureの日本専用ウェブサイトを発表」
- 2023年10月31日:IAIS議長・副議長宛てに保険業界の早急な脱化石燃料への移行の枠組みづくりを求める共同要請書を提出。
- 2023年10月2日:共同声明「東京海上は2030年中間目標を発表も企業エンゲージメント指数に留まる〜大手損保3社は早急に保険引受ポートフォリオ排出量目標の設定を!〜」を発表
- 2023年8月2日:共同声明「NZIA脱退した大手3損保は中期目標を期限内に公表せず~早急に保険引受ポートフォリオ排出量の中期目標の設定を!~」を発表
- 2023年6月26日:プレスリリース「東京海上・株主総会で東アフリカ原油パイプライン(EACOP)の関与を否定せず~メガバンク3行が同事業から距離をとる中で東京海上の評判リスクが上昇~」を発表
- 2023年1月18日:「MS&ADに対して化石燃料事業への保険引受等の停止に向けたエンゲージメントを求める要請書」をMS&AD株保有機関50社に送付
- 2022年10月19日:プレスリリース「化石燃料への保険引受方針等に関する世界の保険会社ランキング2022を発表~日本の保険会社間ではSOMPOが逆転トップに、MS&ADは最下位転落~」を発表
- 2022年10月5日:プレスリリース「東京海上・MS&AD・SOMPO等による豪州イクシスLNG事業の保険引受が判明~今後の拡張事業の保険を引き受ける可能性も~」を発表
- 2022年9月30日:共同声明「東京海上が化石燃料の保険引受方針改訂を発表するも、SOMPOの方針に及ばず」を発表
- 2022年9月20日:プレスリリース「機関投資家も東京海上に働きかけ~パリ協定の目標に整合し、新規化石燃料事業への保険引受停止を~」を発表
- 2022年6月28日:共同声明:日本の金融機関初、SOMPOが「石炭関連企業」への保険引受・投融資を一定条件下で停止する方針を発表
- 2022年6月15日:共同声明「MS&ADの新気候方針は東京海上やSOMPOの水準を超えず~問われる1.5度目標との整合性~」を発表
- 2022年6月9日:プレスリリース「MS&AD・東京海上・SOMPOによるベトナム・ブンアン2石炭火力等への巨額保険引受が判明」を発表
- 2022年5月27日:共同声明「日本の金融業界初、SOMPOがオイルサンド開発・北極保護区の化石燃料事業の保険引受排除を発表~東京海上、MS&ADも方針強化を~」を発表
- 参考1:Insure Our Futureの声明「Sompo takes insufficient step on coal but becomes first Japanese insurer to rule out new oil sands and Arctic energy exploration」
- 参考2:Reclaime Finenceの声明「Oil & gas: SOMPO becomes the first Japanese insurer to rule out tar sands and Arctic」
- 参考3:Gwich’in Steering Committeeの声明「SOMPO Joins the Growing List of Insurance Companies with Policies that Protect the Arctic Refuge」
- 2022年4月29日:プレスリリース「独保険大手アリアンツが新規石油・ガス事業の除外を発表~日本の3損保も追従を~」を発表
- 2022年2月8日:SOMPOに対して化石燃料事業への保険引受等の停止に向けたエンゲージメントを求める要請書を送付
- 2022年1月20日:プレスリリース「東京海上、チャブ、MAPFREがブラジルのオフショア石油採掘の拡大を支援していることが判明」を発表
- 2021年11月3日:プレスリリース「化石燃料への保険引受方針等に関する世界の保険会社ランキング2021~東京海上は16位、MS&ADは17位、SOMPOは21位」を発表
- 2021年9月30日:NGO共同声明「東京海上が石炭火力・採掘の保険引受制限強化を発表~パリ協定達成に向け一層の強化が必要~」を発表
- 2021年7月14日:東京海上の大株主である金融機関50社に対し石炭火力発電への保険引受の全面停止に向けたエンゲージメントを求める要請書を送付
- 2021年6月25日:共同声明「MS&ADが石炭火力の保険引受を全面停止〜問われる東京海上とSOMPOの対応〜」を発表
- 2021年6月23日:プレスリリース「韓国の大手保険会社が石炭火力への関与を断ち切る」を発表
- 2021年3月25日:キャンペーンサイト「東京海上は地球を汚している」を共同開設。Insure Our Futureがプレスリリースを発表。
- 2021年3月25日:【プレスリリース】JICA債引受・保有39機関にバングラデシュ・インドネシアの石炭火力発電の支援停止働きかけを求める要請書を送付
- 2021年1月13日:大手3損保の主要株主・融資機関57社に対して「東京海上・MS&AD・SOMPOに対して石炭火力への保険引受等の停止に向けたエンゲージメントを求める要請書(PDF)」を送付
- 2020年12月17日:プレスリリース「国際保険市場のロイズが脱石炭方針を策定~適切な方向への一歩だが、直ちに全ての新規石炭事業への保険停止が必要~」を発表
- 2020年12月3日:石炭事業への保険引受方針等に関する世界の保険会社ランキング2020を発表
- 2020年9月30日:NGO共同声明「MS&ADが石炭火力新方針を発表~3大損保の方針が出揃ったものの、方針強化が不可避~」を発表
- 2020年9月28日:NGO共同声明「東京海上が石炭火力新方針を発表~SOMPOに続き2番目、しかしパリ協定の目標とは乖離~」を発表
- 2020年9月23日:NGO共同声明「SOMPOが石炭火力新方針を発表~日本の損保初、しかしパリ協定の目標とは乖離~」を発表
- 2020年9月8日:世界の金融機関の石炭方針に関する新分析ツール「Coal Policy Tool」を共同発表
- 2020年2月19日:ブリーフィング・ペーパー「東京海上・MS&AD・SOMPOにおける気候変動の物理的リスク~巨大自然災害と異常危険準備金の枯渇シナリオ~」を発表
- 2020年2月18日:日本の損害保険会社3社に対してベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業への保険引き受けを行わないよう求める要請書(PDF)を送付(16カ国の32団体が署名)
- 2019年12月2日:石炭事業への保険引き受け方針等に関する世界の大手保険会社ランキング2019を発表
- 2019年10月2日:ブログ記事「東京海上は東京2020までに「石炭発電へのゴールドパートナー」の汚名を返上できるか?(英語版はWill we call Tokio Marine the “Gold Partner for Coal-fired Power Generation” at Tokyo 2020?)」を発表。
- 2019年7月1日:プレスリリース「米国で初めて大手保険会社が石炭事業の保険引き受け及び投融資の中止を表明」を発表。
- 2018年12月:豪州カーマイケル事業への保険引き受け方針を問う公開質問状を大手保険会社に共同送付(各保険会社の回答結果はMarket Forcesウェブサイトに掲載)
メディア掲載等:
- 2024年3月18日:オルタナ記事「東京海上、脱炭素計画持たないGHG高排出企業から撤退へ」
- 2024年3月11日:Sustainable Japan記事「【アメリカ】NGO、メキシコ湾LNGプロジェクトの損害保険引受35社公表。日本の大手3社も」
- 2024年3月4日:環境金融研究機構記事「世界の大手保険会社に対し、化石燃料事業の保険引き受け停止を求めNGOがグローバル行動展開。日本では東京海上に照準。東アフリカや米国での化石燃料事業への参加停止を要請」
- 2023年10月31日:Reinsurance News記事「Civil society groups demand climate risk regulatory action from the IAIS」
- 2023年10月19日:ESG Journal記事「東京海上ホールディングス、2030年の中間目標を発表」
- 2023年10月3日:Sustainable Japan記事「東京海上、保険GHGで中間目標設定。エンゲージメント160社に。環境NGO「不十分」」
- 2023年8月2日:Sustainable Japan記事「損保大手3社、保険カーボンニュートラルの目標公表せず。競争法上の事案も複数」
- 2023年8月2日:環境金融研究機構記事「ネットゼロ保険同盟(NZIA)から離脱した日本の損保3社、NZIAで約束していた2050ネットゼロの中間目標設定を「パス」。環境NGOは「早急に目標設定」を求める」
- 2023年6月29日:オルタナ記事「気候変動対策や動物福祉、株主総会でNGOの株主提案相次ぐ」
- 2023年6月28日:環境金融研究機構記事「東京海上ホールディングス。「東アフリカ原油パイプライン事業(EACOP)」の保険引き受けに関与の可能性。環境NGOが指摘。東海上は「関与の有無」を回答せず」
- 2020年10月20日:オルタナ記事「脱化石に積極的な保険会社 日本ではSOMPOがトップ」
- 2022年10月19日:Sustainable Japan記事「Insure Our Future、損保大手30社の2022年気候変動ランキング。日本首位はSOMPOの14位」
- 2022年10月19日:ESG Journal記事「Reclaim Finance、保険大手にLNG開発「Ichthys LNG」への保険引受更新拒否を要求」
- 2022年10月6日:Sustainable Japan記事「環境NGO、保険大手に豪LNG開発「イクシス」への保険引受更新拒否を要求。日本の3社も」
- 2022年9月21日:オルタナ記事:「東京海上HDの脱化石を」NGOが投資家に対話求める
- 2022年9月21日:Sustainable Japan記事「環境NGO、東京海上HDへの気候変動方針強化で株主への要請書結果発表。1社はエンゲージメント明記」
- 2022年6月28日:Bright Green記事「First Asian insurer rules out insuring coal companies」
- 2022年6月28日:Insurance Business記事「Sompo commits to “pioneering” coal policy」
- 2022年6月29日:オルタナ記事「SOMPOが石炭企業の引受・投融資を停止、NGOから課題指摘も」
- 2022年6月22日:ESG Journal記事「損害保険大手3社、東南アジアの石炭火力に巨額の保険引受」
- 2022年6月18日:Sustainable Japan記事「損保大手3社、東南アジアの石炭火力に損害保険を巨額提供。海外大手撤退の受け皿」
- 2022年6月9日:環境金融研究機構「アジアの石炭火力発電事業の保険引き受け、日本の3大損保会社が主導。特にベトナムのブンアン2事業で。「保険引き受け・投融資停止方針」の『抜け穴』利用と、環境NGOは批判」
- 2022年6月9日:朝日新聞「アジアの石炭火力、国内損保大手が多額の保険引き受けNGO調査」
- 2022年5月30日:Insuranceday記事「Sompo criticised for coal policy ‘loophole’」
2022年5月28日:Insurance Business記事「Sompo updates coal policy」 - 2022年5月2日:オルタナ記事「独アリアンツ、石油・ガスの引受停止/保険も脱化石」
- 2022年2月9日:環境金融研究機構記事「国内環境NGO5団体、損害保険のSOMPOに対し、化石燃料事業からの保険引き受け撤退を求め、同社の株主金融機関にエンゲージメントを求める要請書。株主提案も視野か」
- 2022年1月25日:ESG Journal記事「NGO、ブラジルでの海底石油・ガス開発で保険会社を糾弾。対象に東京海上HDも」
- 2022年1月22日:Sustainable Japan記事「環境NGO、ブラジルでの海底石油・ガス開発で保険会社を糾弾。東京海上も」
- 2021年12月15日:日本経済新聞記事「保険会社は脱石炭の旗振って 環境団体が熱視線」
- 2021年11月3日:Sustainable Japan記事「Insure Our Future、保険大手30社の気候変動ランキング2021年発表。日本損保3社は下位ママ」
- 2021年9月30日:InsuranceERM記事「Close remaining coal loopholes, climate activists tell Tokio Marine」
- 2021年6月28–29日(MS&AD石炭方針関連):
- 2021年6月23日:Sustainable Japan記事「【韓国】損保大手4社、石炭火力新設への保険引受禁止表明。韓国でも石炭ダイベストメントの動き」
- 2020年12月(スコアカード2020関連):
- 2020年10月7日:日本経済新聞「脱炭素で銀行評価 NGOが連携に動く」に掲載
- 2020年9月28日:Sustainable Japan記事「東京海上HD、国内外の石炭火力への損保引受・投融資を原則禁止。但し例外規定を設定」
- 2020年9月23-24日(SOMPO石炭方針関連):
- 2020年9月11日:Sustainable Japan記事「国際NGO、金融機関数百社の石炭ポリシーを格付。日本企業25社は総じて低い評価」に掲載
- 2020年2月22日:オルタナ記事「損保各社、自然災害続けば異常危険準備金が枯渇も」に掲載
- 2020年2月7日:岩波「世界」の記事「石炭火力と損害保険」に掲載。
- 2020年1月22日:ニューズウィーク日本版「あのブラックロックが環境重視に転換、石炭株を放出──オーストラリア国債が危ない」に掲載。
- 2019年12月13日:東洋経済記事「3メガ損保が直面する「脱石炭」の猛烈な風圧」に掲載。
- 2019年12月6日:オルタナ記事「大手保険会社30社の脱石炭方針評価、日本は最下位」に掲載。
- 2019年12月2日:共同通信記事「対温暖化、日本の保険会社は0点、環境団体評価、上位は欧州各社」に掲載。
- 2019年12月2日:Sustainable Japan記事「Unfriend Coal、保険大手30社の石炭関連ポリシー・ランキング発表。日本損保3社は最下位」に掲載。
- 2019年12月2日:NNA Asia記事「石炭事業の保険引受縮小、印企業にも影響」に掲載。
- 2019年9月20日:Sustainable Japan記事「Unfriend Coal、ラグビー代表オールブラックに保険AIGのスポンサー契約終了を要求」に掲載。
- 2018年12月29日:Sustainable Japan記事「世界保険大手10社、豪カーマイケル石炭採掘プロジェクトへの保険提供拒否。NGO発表」に掲載。
- 2018年12月3日:環境金融研究機構記事「保険業界による石炭産業への投資資金引き揚げ6兆㌦に。再保険会社の付保制限も急増。欧州勢が積極的で、日米は出遅れ。環境NGOネットの「Unfriend Coal」が報告(RIEF)」に掲載。
- 2018年12月3日:Sustainable Japan記事「Unfriend Coal、保険大手24社の石炭方針ランキング発表。東京海上HDとSOMPOHD最下位群」に掲載。