08年3月末の道路特定財源の暫定税率期限切れ問題に端を発し、同財源の改革をめぐり与野党間で事態は紛糾を極めている。改革案の一つとして、道路特定財源を見直し炭素税/環境税を導入しようという議論が与野党双方の一部議員から浮上してきた。こうした状況を受け、経済産業省は「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」を立ち上げ、環境税も検討課題の1つとした。環境省も「グリーン税制とその経済分析等に関する専門委員会」を立ち上げ検討に入り、11月には環境税の制度提案を提示することが見込まれている。こうした動向を踏まえ、炭素税研究会は政策担当者に以下の要望を提出した。
- 炭素税/環境税導入を柱とする税財政グリーン化推進を全国会議員に要請
- 道路特定財源の税率維持・強化(税率を引き下げる場合はそれを下回らない炭素税導入の同時実施)を民主党に要請
- 中税率・税収中立型の炭素税/環境税推進を環境省に要請
1.炭素税/環境税導入・税財政グリーン化推進を全国会議員に要請
本研究会は、10月10日、全国会議員に@炭素税(環境税)導入、A道路特定財源改革、B石油石炭税改革、C税財政グリーン化推進の4点からなる「平成21年度税制改正に関する要望書」(資料1)を提出。特に、未だ炭素税/環境税導入を掲げていない与党(自民党・公明党)議員に対し、その導入を要請した(民主党・共産党・社民党等は既に炭素税/環境税導入を公約)。
2.道路特定財源税率維持・強化(税率を引き下げる場合は下回らない炭素税同時導入)を民主党に要請
本研究会は、同日、道路特定財源/自動車燃料諸税の引き下げを掲げる民主党に対し、気候変動防止の観点から、@現行の道路特定財源/自動車燃料諸税・自動車諸税の税率維持・強化、A道路特定財源の税率を引き下げる場合にはその税率を下回らない炭素税/環境税導入、を要請する要望書(資料2)を提出した(自民党・公明党は道路特定財源の税率維持・一般財源化を公約)。
3.中税率・税収中立型の炭素税/環境税推進を環境省に要請
本研究会は、同日、環境省に対し、今後提示する炭素税/環境税の制度案において、中税率で税収の多くを他の税の減税や年金財源等に充てる税収中立型の制度を提案・推進するよう要望書(資料3)を提出した。
資料
1.全国会議員への平成21年度税制改正に関する要望書
2.民主党への道路特定財源改革及び炭素税/環境税に関する要望書
3.環境省への炭素税/環境税制度案提示に関する要望書
|