主催:「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
私たちは気候変動問題の解決に向けて努力してきているが、本当に本質的で効果的な対策をとる道を進んできているのであろうか。
日本では、今年9月までに衆議院選挙が実施される。いくつかの政党が、環境税や国内排出量取引制度の導入をマニフェストに掲げており、気候変動政策は大きな争点になる可能性もある。
一方、昨年より自主参加型の排出量取引の試行が始まったが、この制度は産業界が掲げてきた自主行動計画の延長線上にあるとも言われている。
経済産業省の地球温暖化対応のための経済的手法研究会の中間報告では、産業界の自主行動計画を政府と企業との協定に改革していくことも一案として提示されている。また、温暖化対策強化のためには、効率規制の強化など、経済的手法や自主的な取組みに頼らずに、規制強化が本質的に重要である、といった意見も少なくない。いや、今の経済状況をかんがみれば、技術開発・普及を促す租税特別措置・補助金こそ重要だ、との意見も聞かれる。
欧州に目を向ければ、炭素税(環境税)・排出量取引・協定などの政策が混在している国が多く、それらの調整の試行錯誤が展開され始めている。それにあたって、EU各国のエネルギー税の最低税率を定めたエネルギー税指令と各国の炭素税(環境税)との調整が活発化するなど、各国の政策とEU全体の政策に関する調整が重層的に行われ始めている。
昨年からの金融恐慌は、米国・日本のみならず、欧州において深刻な影響を与えている。こうした状況において、それらの試行錯誤がどこに行きつくのか、冷静に情勢を見極めていく必要がある。
今後、地球規模で気候変動に対処するには、温室効果ガス排出の絶対量の削減が必要である。先進諸国は60%〜90%もの大幅削減が必要であり、中国・インド・ブラジル等の削減努力も不可欠である。
先進諸国が国内での排出削減対策・政策を強化するとともに、先進諸国における最大排出国であり京都議定書から離脱している米国が参加し、中国・インド・ブラジル等の排出削減インセンティブを含み、国際的な企業間の公平な競争を極力担保する国際枠組みを構築することが求められている。
国内政策と国際枠組みの双方を、迅速、かつ、きめ細やかに検討し、合意し、行動に移していかなければならない状況となっている。
このような現状認識を背景にして、まず、EUにおける最新状況を参加者の方々と共有したうえで、日本の実状に適合し、地球規模での問題解決に貢献できるような、日本の仕組み・制度のあり方について、冷静かつ率直な議論を行うことを目的として、本シンポジウムを開催する。
温室効果ガス排出削減の努力を日々行っている現場である企業の方々や市民の方々、政策立案の現場にいる政策担当者の方々などに多数ご参加いただき、有意義な会としたい。
【日時】2009年3月30日(月) 18:45〜21:30
【プログラム(予定)】<以下、敬称略>
●報告
報告1
「ドイツの環境税制改革・排出量取引制度」
Sven Rudolph(カッセル大学准教授)
※逐次通訳付きます
報告2
「スウェーデンの環境税等をめぐる状況」
伊藤康(千葉商科大学教授)
報告3
「日本における適正な制度の進展に向けた問題提起」
足立治郎(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)事務局長)
●意見交換
〈論点案〉気候変動対策推進のために重要な政策は何か
排出量取引・環境税・自主的取組・協定・規制・補助金等を検討する
〈パネリスト〉報告者・政策担当者・企業関係者(調整中)
〈司会〉「環境・持続社会」研究センター(JACSES)代表理事 古沢広祐
【会場】ベルサール九段 4階 ROOM4
http://www.bellesalle.co.jp/bs_kudan/event/access.html
〒102-0074東京都千代田区九段北1-8-10住友不動産九段ビル
TEL:03-3346-1396
<交通アクセス>
「九段下」駅「5番出口」徒歩5分(半蔵門線・新宿線)
「九段下」駅「7番出口」徒歩3分(東西線)
「神保町」駅「A2出口」徒歩6分(半蔵門線・新宿線・三田線)
「飯田橋」駅「A5出口」徒歩7分(JR線・有楽町線・南北線・ 東西線・大江戸線)
「水道橋」駅「西口」徒歩8分(JR線・三田線)
※駐車場はありませんので、交通機関をご利用いただきますようお願
い致します。
【参加費・軽食代】2,000円(JACSES賛助会員:無料、サポーター:半額)
【お申し込み】
「09年3月30日イベント参加申し込み」と明記の上、
次のJACSESウェブサイト・参加フォーム
http://www.jacses.org/form/form_event.htmlから、
もしくはFAX:03(3556)7328宛てに
「お名前」「ご所属(勤務先・学校など)」「返信のためのご連絡先」を
明記の上、お申込みください。
※本シンポジウムは、「環境再生保全機構地球環境基金」の助成を受けて行なわれます。
|