◇提言要旨
I.地球温暖化/気候変動の現状
○地球気温の上昇は、確実に進行している。
○人類の温室効果ガス排出と温室効果ガス濃度は、増加し続けている。
○地球温暖化による深刻な被害が予測され、その被害額は対策コストを大きく上回る。
II.政策目標の設定
○日本は、自らが中長期的にどのように温暖化防止に取り組むのか、目標を設定し、その決
意を早急に世界に示すとともに、政策導入・強化によりその道筋を担保すべきである。
○日本政府は、京都議定書目標達成および国内排出削減の確実な進展のため、企業や
家庭の自主的な取り組みや京都メカニズムばかりに依拠せずに、京都議定書目標達成
計画をさらに改定し、国内目標の強化と政策強化を加速しなければならない。
III.日本の温暖化防止対策/政策
○企業の自主的な取組みに依拠せずに大幅削減を達成し、また真摯に取り組む企業と
そうでない企業を差別化するため、自主行動計画を協定化するとともに、削減を担保する
政策(炭素税・国内排出量取引・効率規制など)を導入すべきである。
○京都議定書目標達成のため京都メカニズムはあくまで補完的に用いるべきで、国内政策強
化が必要。CDM/JIは、質の向上/チェック体制強化が重要。ホット・エア活用は、極力避ける
べきである。
○国内・域内排出量取引制度は、EU・米国で導入が具体化・活性化している。効果的で
公正なキャップ設定等に課題があるが、費用対効果が高く一定の排出量削減が確保できる
可能性もある。ポリシーミックスの一環として、日本も具体的な導入議論を進めるべき
である。
○炭素税は、フリーライダーを防ぎ、小口のCO2 排出者も含めた取り組みを促し、努力する
人が経済的にも報われる公正な経済を促進するために、導入が急務である。政府・各政党
企業等は制度構築の取り組みを急がねばならない。
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