印刷バージョン(地図付きPDF版チラシ)はこちら
日本政府や国際機関の多額の援助によって支えられてきたパキスタン・インダス河の灌漑農業は、パキスタンのGDPの4分の1、雇用の3分の2、輸出の8割を占める主要産業となっています。しかし、塩害や浸水害、洪水、環境破壊、人権侵害などの深刻な問題が発生しており、開発援助のあり方が大きな課題となっています。
本セミナーでは、インダス河における灌漑の歴史を概観し、塩害や浸水害に対する改善策・代替案について、一橋大学経済研究所教授の黒崎卓氏よりご講演頂きます。また、当センタースタッフの田辺有輝が、様々な事例を通じて、日本政府や国際機関の支援するインダス河の灌漑関連事業で近年起きている環境・人権問題を報告します。さらに、フロアディスカッションでは、これらの問題の解決策を参加者の皆様と一緒に模索していきたいと思います。興味をお持ちの方は、ぜひ、ご参加いただけると幸いです。
■日時:2007年1月9日(火)18:30〜20:45
■場所:環境パートナーシップオフィス(EPO)
■定員:50名
■参加費:一般1000円(JACSES賛助会員の方は無料、サポーター会員の方は半額)
■主催:「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
■プログラム
講演1:パキスタンの灌漑の歴史と塩害や浸水害の課題
黒崎 卓 氏(一橋大学経済研究所教授)
講演内容:
- パキスタン灌漑の歴史、塩害・浸水害の状況と改善策・代替案
- 灌漑管理に関する制度改革とコミュニティ参与の実態
講演2:日本政府・世界銀行・アジア開発銀行の支援するパキスタンの灌漑事業における環境・人権問題
田辺 有輝(JACSESスタッフ)
講演内容:
- 灌漑/堰建設・修復時の課題:灌漑拡大事業における設計不備の問題、立ち退き等における人権問題(チャシュマ灌漑事業、タウンサ堰改修事業を例に)。
- 灌漑使用時の課題:下流デルタ地帯の流量減少・海水流入・農業放棄・住民の貧困化の問題(シンド州沿岸&内陸開発事業を例に)。
- 灌漑使用時の問題改善策における課題:塩害や浸水害を防止する事業での新たな問題として、堤防決壊、農地・生態系の破壊等が発生(左岸排水事業、全国排水路整備事業を例に)。
■申し込み
参加希望の方は登録フォームから申し込みお願いします。
※ 本セミナーは「環境再生保全機構地球環境基金」の助成を受けて行われます。
|