プロジェクト概要:
バングラデシュ南西部に位置するクルナ管区の浸水問題解決のために実施されたのが、KJDRPである。KJDRPでは、河川にさらなる水門や堤防を建設することで水や土砂流入・河川氾濫を防ぎ、農業生産を拡大させる狙いがあった。KJDRPの対象地域はクルナ管区内のクルナ県とジェソール県で、排水基盤の復旧、川底に貯まった土砂及び排水用水路に貯まった土砂の浚渫工事、排水口・堤防・水門の建設などが行われた。
KJDRPは1993年12月17日にADBの理事会で承認され、ADBは事業総費用4490万ドルの内、70パーセントにあたる3260万ドルの融資を行い、バングラデシュ水資源管理委員会(Bangladesh
Water Development Board:BWBD)が主に事業実施を行った 。KJDRPは2002年にADBの融資実行が終了し、2004年に事業完了報告書が理事会で承認された。これをもってADBは事業が正式に終了したと表明している。
問題点:
現地NGOによると、KJDRPにより浸水被害による生活環境悪化、川の寸断による環境・社会影響などが起きている。さらに川の寸断の長期的な影響として、マングローブ林の減少が懸念される。
活動内容:
KJDRPはプロジェクト終了後も、環境社会影響が続いている。そのことから、ADBの業務評価局に対し、KJDRPを評価対象案件にするように提言し、業務評価局は2007年〜2009年度の評価案件に含めることを発表した。
担当:田辺有輝
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