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訪れた村々の様子

2003年11月、URGEWALDとJACSESは立ち退きが予定されている約12の村と、既に立ち退きが行われた1つの村、および再定住地である2つの村の現地調査を行いました。

凡例:
=ダムにより水没する村
=再定住地
=主要都市

 

(1)豊かな生活と不十分な情報提供
立ち退きが予定されている村々には、様々な種類の穀物、野菜、果物、豆類、芋、唐辛子、砂糖キビ、木綿といった豊かな作物および3毛作に恵まれた農地を有し、祭りを行い、学校や郵便局を有する生活基盤の整った地域も含まれます。また、鹿、豹、虎、熊などや130種類に及ぶ鳥が暮らす豊かな森林地帯も含まれています。立ち退きに関する情報は十分に提供されておらず、住民は大きな不安を感じています。ある住民は説明を受けたいと考えてNHDCにまで1日かけて出向いて行ったにもかかわらず、たらい回しにされた挙句、担当者と話さえさせてもらえませんでした。

<立ち退きが予定されているイヌワリ村の活気のある市場: 
豊富な野菜、穀物、衣料などが売られている>

(2)突然の強制的な立ち退き命令
2003年6月に立ち退きが行われたパンティヤジ村では、雨季のさなかの夕方に突然直ちに立ち退くことが要求されました。命令に従わなければ、翌日ブルドーザーで家を壊すと脅されたのです。しかも、再定住地が欲しいならば、家の解体を手伝わなければならないと脅されて、一晩中雨の中、家の破壊作業を手伝わされたのです。その時の精神的ショックから、もと村人のあるお子さんは精神病になってしまいました。村のすぐそばのナルマダ川岸で実際に堰の建設が始まるまで、村人には何も知らされていませんでした。現在、その地に残り野外生活を営んでいるもとの村人もいます。

<強制的な立ち退きが行われた第1の村: パンティヤジ村>

(3)再定住地の困難
再定住地のコティ村では、人々は難民キャンプのような状態で暮らしており、飲み水の質も悪く、腹痛を起こす人も多いとのことです。これまで農業や漁業で生活を営んできた彼らには、自然資源の少ない再定住地で新たに得られる職も僅かで、将来の生活の見通しのない不安な生活が余儀なくされています。また、立ち退きの補償額も規定より大幅に少なく、さらに補償額の銀行での受け渡しでは中間搾取を恐喝され、手元に残る額を失っていくという困難もつきまとっています。以前は農業および漁業で十分な自営を行ってきた住民は、このまま貯蓄が尽きてしまうと開発難民となりかねません。

<再定住地のコティ村>

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