環境問題、貧困問題の深刻化等、政策課題が目まぐるしく変化する今日、既存のしがらみや垣根を越えた革新的かつ実践的な政策形成・提言応力の必要性が増している。本活動は、この様な課題に対応した即応的・実践的な人材育成を目的とし、2012年度、電通育英会から助成を受けて、次世代の政策担当者・研究者、企業、メディア関係者・NPOスタッフ人材である大学生・大学院生を主な対象にインターンシップ・研修を実施した。
1.活動概要
1−1.インターンシップ事業
大学部生、大学院生10名を対象に、政策提言活動・情報提供のインターンシップを通じた実務能力向上支援を実施。
1−2.ワークショップ開催
2.成果
インターンシップ事業・ワークショップ参加者に対し行ったアンケート調査より、以下のフィードバックが得られた。
2−1.インターンシップ事業
2−1−1.インターン活動を通して得られたこと
- 情報収集や政策分析をする際に問題の本質を見極めるための思考方法を学んだ。
- メールマガジンの記事作成・編集・発行作業等を通じ、俯瞰的な視野を持つ能力、制度・政策がもたらす現場への影響を予測する力、改善できるポイントを見極める能力、適切な文言・タイミングを選び情報を発信する能力を身に着けることができた。
- 関係省庁の方々のお話を聞く機会や、各省庁に書類を提出する機会があり、政府の存在や役割、立場をリアルに実感できた。
- 相互理解・対話能力の重要性を再認識した。
- 財務省・NGO定期協議会での記録と議事録づくりを通して、ODAのあり方や、関連事業における他国政府への対応などを、民間の視点から考えるきっかけとなった。
- NPOがどのように政府・国際機関の政策担当者に影響を与え、より良い政策の形成に貢献しているのかを学ぶことができた。
- 環境省記者クラブでの広報活動を行った際、環境省の最新動向について意見交換できた。
- イベント運営補助を通じて、イベント告知や講師との連絡、当日の全体調整役を務め、リーダーシップ強化を図れた。
- NGO資金調達・組織マネジメントにおいても最も重要な助成金申請書・報告書の作成に携わり、組織運営のあり方を学んだ。
- 文章・資料作成を通じ、ビジネススキルの基礎力向上を図ることができた。
- 問題発見からプロジェクトの形成、活動実施、アウトカム作成の一連のプロセスに携われたことで、プロジェクト実施に必要な知識が身についた。
2−1−2.今後のキャリア形成に活かせること
- 環境・社会問題への解決策を社会的に意味のある形で実施していくことの難しさを理解したことは、より現実的なキャリアプランを立てることに大きく活かせると思う。
- 今後のキャリアに必要であるが、自分の能力不足である点を把握できたことで、改善のために動き出す契機となった。
- NGOが国や国際機関が行う開発の現場にどのように関与しているのか、NGOが諸問題にどのように立ち向かっているのかを知ることができ、NGOで働くという自分の将来の夢に一歩近づけたと思う。
- NGOの活動の中立性への信頼や各セクターの協働の重要性を学び、NGOの任務であるアドボカシー・情報の周知、講題の設定のノウハウを今後のキャリアに活かせる。
2−2.ワークショップ開催
2−2−1.ワークショップに参加して得られたこと
- どのような流れで政策が作られて、そして提言されるのかを聞くことができて勉強になった。
- 政策提言に関する知識が身についた。
- 学生のうちからスキルアップの必要性を感じた。
- バランスのとれたスピーカーがそろっていて、援助をする立場と、アドボカシーをする立場の両者から話を聞けたことはよかった。
- 市民による共同社会の意思決定への参加の確保、意思決定への参加能力を形成するために社会が最善の環境を整えることが市民の自立性強化の課題であるという知見を得ることができた。
3.今後の展開
本事業で得られた評価・教訓をもとに、当センターの今後のインターンシップ・プログラムでは、インターンシップ・プログラムで扱う政策課題の拡大、インターンシップ・プログラムの改善、インターン募集要項・広報体制の改善、インターン評価・フィードバック方法の改善を実施する。
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