政府開発援助(ODA)が発展途上国で引き起こす環境・社会被害をどうやったらなくせるのでしょうか?その方策の1つとして、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)等の国際援助機関は1990年代にインスペクション(査察)制度を導入しました。インスペクション制度とは、第3者である独立した専門家が、被害住民の申し立てに基づいて援助機関の責任を調査する仕組みです。今年5月、二国間援助機関としては初めて日本の国際協力銀行(JBIC)が、同様の「異議申し立て制度」を設立しました。
このシンポジウムでは、これまで世界銀行やADBのインスペクション制度への申し立てに関わったNGOや調査に携わった専門家をお招きし、こうした制度が「援助被害」をなくすために有効なのかどうか、その中で市民社会がどのような役割を果たしたのか、などについて考えます。
【日時】2003年8月2日(土)10時〜17時
【場所】YMCAアジア青少年センター スペースY
東京都千代田区猿楽町2-5-5→地図
【定員】200人(同時通訳有り)
【主催】メコン・ウォッチ、FoE-Japan、JACSES
当日配布いたしました資料は以下のページよりダウンロードできます。
当日資料
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【連絡先】メコン・ウォッチ/担当:東(ひがし)
03-3832-5034、ipseminar@mekongwatch.org
【プログラム】
<第一部> 世界銀行インスペクションパネルの10年
「NGOから見たインスペクション10年」
: ダナ・クラーク(米国弁護士、国際環境法センター)
「インスペクション制度の実態と課題」
: リチャード・ビッセル(元インスペクションパネル委員長)
<第ニ部> 疑問だらけのアジア開発銀行(ADB)インスペクション制度
「ADBのインスペクション政策と過去の申し立て」
: 福田健治(メコン・ウォッチ)
「タイの汚水処理事業への申し立て調査」
: ウィアート・ウィアートセマ(元インスペクション委員)
「影響住民にとってのインスペクション制度」
: ムシュタック・ガディ(ADBインスペクション提訴者、MAUJ・パキスタン)
「インスペクション制度から新アカウンタビリティ・メカニズムへ」
: 鈴木英輔(ADB業務評価局長・総務付審査役)
<第三部> 国際協力銀行(JBIC)の異議申し立て制度
「JBICの異議申し立て制度とは何か」
: JBIC担当者(交渉中)
「異議申し立て制度と公的機関のアカウンタビリティ
: 城山英明(東京大学法学部助教授)
「NGOから見たJBICの新制度」
: 松本郁子(FoE-Japan)
<第四部> パネル・ディスカッション
「インスペクション/異議申し立て制度は援助被害の解決と援助機関の改革につながるのか」
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