2012年1月に公開された成果文書ゼロドラフトの構成は以下の通りである。
I. 序文/舞台設定
ビジョン
II. 政治的コミットメントの更新
A. リオ原則と過去の行動計画の再確認
B. 持続可能な開発に関する主要サミットの成果の実施におけるこれまでの前進及び残されたギャップの評価並びに新たな課題への対応(統合、実施、一貫性)
C. 主要グループの関与
D. 行動のための枠組み
III. 持続可能な開発及び貧困撲滅に関連するグリーン経済
A. グリーン経済、課題及び機会の文脈の骨組み
B. ツールキット及び経験の共有
C. 行動の枠組み
IV. 持続可能な開発のための制度的枠組み
A. 3つの柱の強化/改革/統合
B. 国連総会、経済社会理事会、持続可能な開発委員会(CSD)、持続可能な開発理事会(SDC)に関する提案
C. 国連環境計画(UNEP)、環境に関する提案の専門機関、国際金融機関(IFI)、各国レベルの国連業務活動
D. 地域、国、地方
V. 行動とフォローアップのための枠組み
A. 優先順位/カギ/テーマ/分野横断的問題及び分野
B. 進展の加速及び測定
C. 実施方法(資金、技術へのアクセス及び移転、能力開発)
各セクションで行動枠組みが提示されているが、重複した内容も多くなっており、整理・統合が必要な状態となっている。また、当初は2つのテーマで議論するとしていたものの、各国からの提案でセクションVの「A.
優先順位/カギ/テーマ/分野横断的問題及び分野」の内容がかなり多岐にわたっており、テーマが急拡大している 。*1
2012年3月の第1回成果文書交渉会合及び第3回非公式会合では、この構成についても交渉が行われている。新興国と発展途上国の交渉グループであるG77+中国は、セクションV「行動とフォローアップのための枠組み」のC「実施方法」を独立させ、セクションVIを新設することを求めている。またセクションIII「持続可能な開発及び貧困撲滅に関連するグリーン経済」のC「行動の枠組み」の内容がセクションVと重複している箇所が多いため、両者を統合するよう求めている。一方、EU、スイス、ノルウェー、韓国、日本などは、グリーンエコノミーのための行動枠組みを強調すべきとして、セクションIIIのCを維持することを求めている。
脚注:
- 2012年3月末現在、成果文書案で提示されているテーマは、貧困撲滅、食料安全保障、水、エネルギー、持続可能なツーリズム、持続可能な交通、自然との共生、都市、健康、グリーン雇用・社会的包摂、インフラストラクチャー、海洋、小島開発途上国(SIDS)、後発開発途上国(LDCs)、アフリカ、その他の地域、自然災害、気候変動、森林、生物多様性、土地劣化・砂漠化、山岳、化学物質・廃棄物、大気、持続可能な生産と消費、教育、人口、ジェンダーの平等、企業、技術革新と投資、適正価格への引き金、採掘。なお、第1回成果文書交渉会合(2012年3月19日〜23日)及び第3回非公式会合(2012年3月26日〜27日)における成果文書案の交渉テキストは、会合参加者限りとして配布されており、一般公開はされていない。ただし、議論の内容は、持続可能な開発に関する国際研究所(IISD)のウェブサイトでも公開されている。
http://www.iisd.ca/uncsd/ism3/
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