■フロン問題の現状
フロン類の排出は、オゾン層破壊や気候変動といった地球規模の環境問題の大きな原因となっています。オゾン層保護・気候変動対策強化に向けて、フロン類排出抑制のための国際制度及び各国内での政策強化の動きが進展を見せているところです。
例えば、欧州諸国では、独自の特定用途に対する物質使用規制やフロン税等の導入が進められています。途上国・新興国であるベトナムも、2012年1月よりにフロン類への課税を含む「環境保護法」を施行しました。
国際社会全体としては、オゾン層保護に関してはモントリオール議定書で、気候変動に関しては京都議定書で、それぞれ対象ガスが決められ、フロン削減に向けた取組みが推進されてきています。近年では、モントリオール議定書締約国会合において京都議定書対象ガスであるHFCの扱いについて議論されているほか、京都議定書第2約束期間の開始に伴い、NF3、HFC-245fa、HFC-365mfc等のフロンが、京都議定書対象ガスとして追加されました。
モントリオール議定書の規制スケジュールに基づくCFCの全廃やHCFCの規制を進める事も重要ですが、オゾン層破壊物質の回収・破壊や気候変動枠組条約との連携、フロン税などを含めた国内政策の検討・強化も求められます。
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