■ GWP(地球温暖化係数:Global Warming
Potential)
フロン類には、CO2などと同様に地表や海面からの熱線を通しにくい性質がある。ゆえに、これらのガスが大気中に増加すると、温室効果による温度上昇が生じると考えられる。温暖化効果は物質の赤外線吸収力と大気寿命で決まる。こうした各ガスによる地球温度上昇への影響の度合いはGWPと呼ばれ、二酸化炭素を基準に、ある温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるかを表す。
GWPは、20年、100年、500年というように放出後の経過時間に基づいた数値が発表されている。各ガスの寿命が異なるため、残留期間を考慮すると異なる数値となる。
GWPの計算方法については、まだ世界的に統一されたものがない。
*気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書に示されているが、第2次と第4次の
報告書の間でかなり改訂されている。そのため、環境省の資料では、フロン類の破壊による
温室効果ガスの排出削減効果の試算などを行う際に第4次と第2次の双方の値で試算されて
いるものもある。
■ ODP(オゾン破壊係数:Ozone-Depleting
Potential)
各化合物の1 kgあたりの総オゾン破壊量をCFC-11の1kgあたりの総オゾン破壊量でわったもの。つまり、フロン11などのオゾン破壊能力を1としたときの当該物質のオゾン破壊能力である。この係数は変更されることもある。例えば、平成8年8月30日に公布されたオゾン層保護法施行令改正によって、平成9年1月1日から臭化メチルのオゾン破壊係数が0.7から0.6に改められることとなった。
*参考:EICネット「オゾン破壊係数」
■ ウィーン条約
1985年3月22日に採択されたオゾン層の保護を目的とする国際協力のための基本的枠組を設定する条約。条約では、締約国が(1)オゾン層の変化により生ずる悪影響から人の健康及び環境を保護するために適当な措置をとること(第2条第1項)
、(2)研究及び組織的観測等に協力すること(第3条) 、(3)法律、科学、技術等に関する情報を交換すること(第4条)等について規定している。*
ウィーン条約197か国(含EC)(日本加入:1988. 9.30)
*参照:外務省サイト
「オゾン層保護
(ウィーン条約:Vienna Convention for the Protection of the Ozone
Layer モ
ントリオール議定書:Montreal Protocol on Substances that Deplete the
Ozone Layer)」
■ モントリオール議定書
1987年9月16日に、ウィーン条約の下で,オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、当該物質の生産、消費及び貿易を規制して人の健康及び環境を保護するための「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。議定書において規定する主な規制措置は(1)各オゾン層破壊物質(ODS:Ozone
Depleting Substances)の全廃スケジュールの設定、 (2)非締約国との貿易の規制(規制物質の輸出入の禁止又は制限等)(第4条)、
(3)最新の科学、環境、技術及び経済に関する情報に基づく規制措置の評価及び再検討(第6条)
議定書の採択後、議定書締約国の間でオゾン層の破壊状況と規制措置についてさらに検討が行われた結果、オゾン層の回復に向けてさらに強力な対策を行う必要性が認識されたこと等から、6回にわたって規制措置の強化が実施された。
モントリオール議定書 197か国(含EC)(我が国受諾:1988. 9.30)
同(北京改正) 173か国(含EC)(同上 :2002. 8.30)
モントリオール議定書に基づくオゾン層破壊物質削減スケジュール
*参照:外務省サイト
「オゾン層保護
(ウィーン条約:Vienna Convention for the Protection of the Ozone
Layer モ
ントリオール議定書:Montreal Protocol on Substances that Deplete the
Ozone Layer)」 |