■MDBsにおける日本
日本は、多国間開発銀行(MDBs)の主要な出資国であり、MDBの政策や融資活動について意思決定の重要な責任を担っている。
世界銀行ではアメリカに次いで第2位、アジア開発銀行についてはアメリカとともに最大出資国の地位にある。 こうしたMDBsへの日本からの出資金は国の一般会計ODA予算の一部から拠出される。つまり、私たち国民の税金の一部がMDBsの融資活動に使われている。
しかしこれまで、MDBsにおける日本の立場や方針の決定は、事実上、管轄する財務省国際局開発機関課で行われ、MDBsの活動の詳細や日本代表理事の発言内容について、公式にも非公式にも公開されてこなかった。
一方、MDBの通常の意思決定は、加盟国の代表で構成される理事会で行われている。この理事会は各国の 出資額に応じて投票の議決権数が決めらている。そのため、アメリカや日本など出資額の大きい国ほど発言権が
強く、したがって理事会における重要なキャスティング・ボードを握っているといっても過言ではない。
■会合発足までの経緯
こうした状況の中、1997年2月上旬、社民党の秋葉忠利議員(当時)とNGOがADB福岡総会について会合 を持った際に、MDBsに関する国内での政策決定プロセスや財務省(当時は大蔵省)のアカウンタビリティ(説明責任)の問題について意見交換した。
その後3月中旬に、秋葉議員が財務委員会で財務省の榊原国際金融局長(当時)に対する代表質問を行い、 榊原局長は「(NGOとの協議はこれまで個別に対応してきたが)今後はまとまった形で定期的に意見を交換する場を設けていきたいと思っている」と答弁。これを受けて、秋葉議員、財務省、NGO代表者が会合を持ち、
正式に定期的会合を発足することに合意した。
こうして、同年4月下旬に、財務省とNGO間で基本的な会合の枠組みについて話し合いを持ち、正式に会合が発足した。
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