■カーボン・オフセット
Carbon Offset
人間の経済活動を通して排出されたCO2などの温室効果ガスを、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業などによって他の場所で直接的、間接的に吸収・削減しようとする考え方や活動の総称。
■UNFCCC 気候変動枠組条約
United Nations Framework Convention on Climate Change
目的は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること。1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて155カ国が気候変動枠組条約に署名を開始し、1994年3月に発効した。
■キャップ・アンド・トレード
Cap and Trade
排出量取引の方式の一つ。温室効果ガスの排出者に、目標年までの排出量上限(キャップ)を設定し、排出量を割り当てる。排出量の取引(トレード)を認め、割当量より少ない排出を達成できた排出者は、余剰の削減分を売ることができ、割当量を上回ってしまう主体は、目標達成に必要な排出削減分を市場から買ってくることができる。排出規制より費用対効果の高い形で環境負荷物質を削減しうる手法といえる。なお、排出量取引には、キャップ&トレード方式とは別に、ベースライン&クレジット方式もある。
より詳細な説明は『カーボン・オフセットとCDM』p257参照
■京都議定書
Kyoto Protocol
気候変動枠組条約に基づき、1997年12月に京都で開かれた第三回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)で採択した議定書である。気候変動の原因となる温室効果ガスについて、先進国における削減率を1990年を基本的に基準年として定め、2008年から2012年までの第一約束期間中に、共同で先進国全体の合計排出量を少なくとも5%削減することを目標としている。日本は、マイナス6%。
より詳細な説明は『カーボン・オフセットとCDM』p255参照
■京都メカニズム
Kyoto Mechanism
京都議定書で認められたもので、議定書締約国のうち法的拘束力のある温室効果ガス削減目標を負う先進国(附属書I国)が目標達成のため、海外から排出枠を購入したり、外国で温室効果ガス削減を行った場合、その削減分を時刻の削減量としてカウントできる仕組み。排出量取引(ET)、クリーン開発メカニズム(CDM)、協同実施(JI)の3つの措置がある。
より詳細な説明は『カーボン・オフセットとCDM』p255参照
■CDM クリーン開発メカニズム
Clean Development Mechanism
先進国(附属書T国)が、途上国(京都議定書締約国のうち目標を負わない非附属書T国)で温室効果ガス削減プロジェクトを行い、削減分をクレジットとして、自国に持ち帰ることができる制度。
より詳細な説明は、CDM/国際協力のページ
■国内クレジット(国内CDM)制度
大手企業が資金調達や技術・ノウハウの提供で国内の中小企業などの温室効果ガス削減を支援し、見返りにクレジットを取得できる仕組み。大手企業は取得したクレジットを自主行動計画の達成などに使用することが見込まれる。
■自主行動計画
Voluntary Action Plan
産業界などが自主的に定めたCO2排出削減などの計画。日本では、日本経団連が1997年に策定した。
より詳細な説明は『カーボン・オフセットとCDM』p251参照
■持続可能な社会
Sustainable Development
1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」ブルントラント委員長が報告書の中で用いたことから有名になった概念。同報告書では、持続可能な発展/開発とは、「そう来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような発展/開発」とされている。様々な解釈がある。
■中長期目標
Mid‐Long Term Climate Objective
気候変動の影響が100年単位の長期にわたる問題であることを踏まえ、京都議定書の第一約束機関以降の排出量削減目標が議論されている。中期とは、2020年目標、長期とは、2050年目標を指すことが多い。
■排出量取引制度
Emissions Trading
排出主体が市場で排出量を取引する制度。排出量取引には、@国全体の排出量を調整するために政府が行う「国際排出量取引」と、A国内・域内企業などの間で行う「国内・域内排出量取引」の2つがある。京都メカニズムとしての取引は@に相当し、Aは、国内・域内での温室効果ガス削減を目指す国内・域内制度のひとつ。
より詳細な説明は『カーボン・オフセットとCDM』p242参照
担当: 足立治郎
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